遺言書って何で作る必要があるの?たまにご質問いただきます・・・

当事務所では、遺言書の作成サポートもさせていただいています。
どなたも、それぞれのご事情あってご自身で遺言書の必要性を感じてご相談いただくことがほとんどなのですが、たまに、遺言書はなぜ作る必要があるの⁉️とお尋ねいただくことがあります。お話を伺うと、遺言書を作るよう周りに言われた・子どもに言われた・○○サークルの✖️✖️さんが作ったそうなので・・・など、
本当に皆さんご事情はさまざまですね。
今回は、そのようなご質問をいただいた場合に、遺言書を作成した方がよいと思われる例をいくつかご紹介します。

①子ども間の仲が悪いよろしくない・・・など

ご承知の方も多いと思いますが、通常、誰にどの程度、相続で財産が配分されるのか(相続分)は、民法で定められています。民法900条では「法定相続分」として、次のように定めています。

相続人のパターン法定相続分
①子・配偶者の場合各2分の1ずつ
②配偶者・直系尊属配偶者3分の2、直系尊属3分の1
③配偶者・兄弟姉妹配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

なお、上記の表で2分の1ずつとあるのは、「それぞれのグループトータルで」という意味になります(日本において配偶者にグループはありませんが・・・)。例えば、子が3人いる場合は、相続財産の2分の1を3等分とすることになります(民法900条4号適用)。

このように民法には法定相続分が定まっているものの、すべての人がこれに納得するとは限られません。

「何年も実家に帰ってないくせに・・・」、「お父さんの面倒、まったくみてないくせに・・・」

「あなただけ、大学に行かせてもらってるでしょ」、「おまえ親父と仲悪かっただろ」、などなど

お金が絡むとたとえそれまで問題のなかった兄弟姉妹だった間の仲も、よろしくなくなることがあるようです。積もり積もった想いがある場合、もともと仲が悪かった場合は尚更ですね。

では、相続人である兄弟姉妹のうち誰かが、法定相続分に納得いかないような場合、相続財産の手続はどうなるのでしょうか?

法定相続分どおりの相続手続は、相続人の誰か一人で手続を進めることができるものもあります(保存行為といわれます。)。

しかし、「おれが・わたしが・一番面倒をみたのだから(費用がかかったのだから)、財産を多くもらいたいっ!」

負けられない戦いが始まります。

このような主張が出た場合、相続人の誰か一人が自分が多く財産をもらうための手続を単独で行うことはできません。

話し合いをしても決着がつかなかったら、どうするか。

裁判ですね。ものすごく、お金と時間かかります。まぁ、大変。

遺言書があればよかったのにというパターンです。

仲がよい兄弟姉妹が、その仲を壊さないために遺言書を作成するという方もいらっしゃいました。

②相続人に行方不明者がいる場合

相続人に行方不明の方がいる場合、相続手続きがまったくできないかというとそうではありません。

相続人に行方不明者がいる場合、不在者財産管理人の選任が考えられます。これは、一応、生存が確認されているが、利害関係人から連絡を取る方法がまったくないような場合に、不在者として扱い、その財産を管理する者を選任し、以後その管理人により財産に関する決定を行っていくものです。

また、行方不明者の生死が明らかでない状態が一定の機関継続している場合には、失踪宣告の手続により、法律上死亡したものとみなして、手続を進めることもあります。

いずれの手続も、家庭裁判所における手続が必要となりますので、①の裁判と近い負担を想像されると思います。

やはりこの場合も、遺言書があればよかったのにと思いませんか?

遺言書があれば

遺言書があれば、それにより財産を相続するとされた相続人(1人で)だけで遺言書の内容を実現するための手続を進めることができます。

もちろん、例外的なものもありますが、

「実家の土地建物は長男に相続させたい!」という親父の遺言があった場合、長男はたとえ弟姉妹が反対しても、手続を進めることができることになります。

当事務所では、相続登記の義務化等による社会変化についての負担を減らすため、当分の間、遺言書作成サポートについての初回相談(60分まで)を無料として対応しております。

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