「相続手続きの難所『戸籍収集』。除籍や附票まで必要な理由は」


はじめに

こんにちは。宇土市の「あおき司法書士・行政書士事務所」代表の青木です。

ご家族が亡くなり、相続の手続きを始めようとすると、銀行や法務局から必ずと言っていいほどこう言われます。 「亡くなった方の、出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です」

この「出生から死亡まで」という言葉。実は、想像以上に大変な作業になることが多いのをご存知でしょうか? 今回は、相続における戸籍収集の重要性と、なぜ専門家に任せるのがスムーズなのかについてお話しします。

また、必要な書類の一覧に目を通すと「戸籍」以外にも「除籍」や「附票」といった見慣れないものもあり、戸惑ってしまう方が多くいらっしゃいます。

「普通の戸籍だけじゃダメなの?」 「附票って何に使うの?」

今回は、相続手続きで避けて通れない「除籍」と「附票」の重要性についても併せて解説します。


1. なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのか?

銀行解約や不動産の名義変更(相続登記)で、なぜ古い戸籍まで遡る必要があるのでしょうか。

それは、**「誰が本当の法定相続人なのかを確定させるため」**です。

現在の戸籍だけでは、過去に離婚や養子縁組があったか、あるいは認知した子がいたかなどをすべて把握することはできません。古い戸籍を一つずつ紐解き、パズルのピースを埋めるようにして、相続人を一人残らず特定しなければ、後の手続きが無効になってしまう恐れがあるのです。

2. 戸籍集めが「大変」と言われる3つの理由

① 「転籍」や「改製」で通数が膨大になる

結婚、引越しによる本籍地の変更(転籍)、そして法律の改正による戸籍の作り替え(改製)が行われるたびに、新しい戸籍が作られます。事例として、昭和23年生まれの私の亡父の場合は、出生が記載された除籍、結婚が記載された改正原戸籍、現在戸籍の3通でした。ただ、これは一度も転籍しておらず、婚姻も1度きりだった場合になります。転籍された場合、複数の婚姻歴がある場合、もっと古くにお生まれになった方の場合などは、5通〜10通以上の戸籍が必要になることも珍しくありません。

② 昔の戸籍は「手書き」で読みづらい

昭和初期以前の「除籍謄本」や「改製原戸籍(かいせいはら(げん)こせき)」は、達筆な手書きで書かれていることが多く、慣れていないと解読するだけでも一苦労です。

③ 遠方の役所への請求が必要

本籍地が遠方にある場合、郵送で請求する必要があります。定額小為替を購入したり、返信用封筒を用意したりと、手間と時間がかかります。近年、オンラインで、かつ、クレジット等決済により取得できるようになった役所もありますが、やはり多くの役所では従前どおりの方法でしか請求できないのが実情です。

1. 「除籍謄本」はなぜ必要なのか?

「除籍(じょせき)」とは、その戸籍に入っていた人が結婚や死亡、転籍(本籍地を移すこと)によって全員いなくなった状態の戸籍を指します。

相続で必要な理由

相続人を確定させるためには、亡くなった方の現在の戸籍だけでなく、過去の「除籍」を出生まで遡って調べる必要があります。 例えば、数十年前の除籍謄本を確認して初めて「実は他にも兄弟がいた」「認知している子がいた」という事実が判明することもあります。 **「誰が相続人かを100%証明する」**ためには、この除籍謄本の連続性が不可欠なのです。


2. 「戸籍の附票」が必要な理由

戸籍謄本が「親族関係」を証明するものなら、**戸籍の附票(ふひょう)は「住所の履歴」**を証明するものです。

なぜ住所の証明が必要?

不動産の相続登記(名義変更)の際、法務局では「亡くなった方の登記上の住所」と「戸籍上の本籍地」が一致するかを確認します。 もし、亡くなった後に何度も引っ越しをされていた場合、住民票だけでは登記簿上の古い住所まで辿り着けないことがあります。そんなとき、本籍地の役所で取得する「戸籍の附票」があれば、過去の住所の変遷が記録されているため、**「登記簿上の所有者と、この亡くなった方は同一人物です」**と証明できるのです。


3. 戸籍集めが「大変」と言われる3つの理由(まとめ)

  • 「転籍」や「改製」で通数が膨大になる 結婚や法律の改正(改製)のたびに新しい戸籍が作られます。長生きされた方の場合、除籍を含めて5通〜10通以上のセットになることも珍しくありません。
  • 昔の戸籍は「手書き」で読みづらい 昭和初期以前の除籍謄本などは達筆な手書きで書かれており、専門知識がないと解読するだけでも一苦労です。
  • 附票には「保存期間」がある 以前は除籍になった後の附票の保存期間が短かったため、古い住所が証明できず、通常とは異なる特殊な手続きが必要になるケースもあります。

4. 2024年(令和6年)3月からの「広域交付」の注意点

全国の戸籍が最寄りの役所で取れる「広域交付制度」が始まりましたが、万能ではありません。

  • 兄弟姉妹のものは対象外:窓口に行けるのは本人や配偶者、直系親族に限られるています。
  • 附票は広域交付の対象外:附票はこれまで通り、本籍地の役所に直接(または郵送で)請求する必要があります。
  • 遡りの調査は時間がかかる:出生から死亡まで全ての除籍を揃える場合、窓口で何時間も待たされる、あるいは後日交付になることがほとんどです。

5. 司法書士に依頼するメリット

戸籍収集は、単なる「書類集め」ではなく、**「相続関係を法的に立証する」**という重要な作業です。当事務所にご依頼いただくことで、以下のメリットがあります。

  1. 手間をすべて丸投げできる:全国の除籍や附票を、職権(司法書士の権限)で迅速に取り寄せます。
  2. 複雑な住所の繋がりを証明:附票が取れないような困難なケースでも、元市役所職員の知見を活かし、代わりの書類を揃えて登記を完了させます。
  3. 正確な相続関係説明図の作成:集めた書類をもとに、その後の手続にそのまま使える家系図を作成します。
  4. その後の手続きがスムーズ:戸籍が揃えば、そのまま遺産分割協議書の作成や、相続登記(名義変更)へスムーズに移行できます。

相続登記については、あおき司法書士事務所(宇土市)へご相談ください。

「戸籍は何となくわかるが、除籍や附票までと言われても、何をどうすればいいか分からない」という方は、ぜひ一度、あおき司法書士事務所(宇土市)へご相談ください。 宇土市、熊本市、宇城市など、地域の皆様の「相続の第一歩」を、元行政職員ならではの丁寧なサポートでお手伝いいたします。


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