令和6年度からの相続登記の義務化により、相続に関するご相談が大変多くなっています。それと同時に、将来・次世代の相続トラブルを防止しようと考える方も多くいらっしゃいます。
あおき司法書士事務所・あおき行政書士事務所(宇土市)としても、相続に関するお悩みを解決し、相続手続を無事終わらせることができるよう、また、将来の相続トラブルを防止できるよう、取り組んでおります。
このページは、少しでも相続手続・問題の解決につながるよう、相続全般についてご紹介しています。
相続とは
相続とは、 亡くなった人(被相続人)の財産上の権利や義務を、残された家族(相続人)が引き継ぐことをいいます。権利だけでなく「義務」も引き継ぎますので、現金・預金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐことから、慎重な判断が求められるものです。
相続の開始時期は、民法882条に「相続は、死亡によって開始する」と規定されているとおり、相続人の意思に関係なく、被相続人が亡くなったという事実をもって始まるものです。また、上記のとおり、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も承継することになりますが、民法896条は「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」と規定しています。なお、被相続人の一身に専属したものは承継されないと規定されていますが、これは、運転免許、生活保護受給権などが該当します。
誰が、どのような割合で相続するのか
法律(民法)で定められた相続人を「法定相続人」といいます。
- 配偶者(夫・妻):常に相続人となります(民法890条)
- 子・父母・兄弟姉妹:次の順位で、配偶者とともに相続人となります。
| 順位 | 相続人 | 備考 |
| 第1位 | 子 | 子が亡くなっている場合は孫(代襲相続といいます。) |
| 第2位 | 直系尊属(上の世代) | 子や孫などがいない場合だけ相続する。親が存命でない場合は祖父母 |
| 第3位 | 兄弟姉妹 | 上記の第1位と第2位ともいない場合だけ相続する。 |
そして、法定の相続の割合は、次のとおりです。
- 配偶者と子の場合:配偶者2分の1、子2分の1
- 配偶者と親の場合:配偶者3分の2、親3分の1
- 配偶者と兄弟姉妹の場合:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
なお、上記の事例で、例えば子が複数いる場合は、2分の1を人数で按分することになります。要は、子2分の1とは子グループが2分の1という意味合いということです。
相続が生じた場合の最初の選択肢
これまでご紹介したとおり、相続ではプラスの財産もマイナスの財産もその対象となります。プラスの財産だけの場合は、まずは「引き継ぐ」ことになるかと思いますが、マイナスの財産もある場合は、そうもいきません。民法では、相続に際し、まずは3つの選択肢が用意されています。
①単純承認:全ての財産(プラスもマイナスも)を承継します。
②相続放棄:全ての財産を承継しないこととします。最初から相続人ではなかったという取扱いになります。
③限定承認:プラスの財産の範囲内でのみ、借金などのマイナスの財産を返済するものです。
上記3つの選択肢が用意されていますが、民法915条では、相続放棄と限定承認について、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならない」旨を規定しています。つまり、何もせずに3ヶ月が過ぎてしまうと単純承認したものとみなされ、自動的に被相続人の借金を負担しなければならない状態となってしまいます。
相続放棄について
被相続人の財産が全体としてマイナスの場合あるいは不明の場合に考えられるのが相続放棄です。相続放棄は、家庭裁判所への申述(書類の提出)によって行うものです。したがって、家族・親戚が集まった場で「私は相続しません!」と宣言しても、法的には相続放棄とはならず、民法規定により単純承認したものとみなされた後は、相続財産のマイナス部分である借金の債権者に対抗できませんので、ご注意ください。また、上記のとおり「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならない」と期限が定められています。通常、家族が亡くなった事実は、直ちにご存じとなる事柄ですので、亡くなった時から3ヶ月以内と考えていただくことになります。ただ、長年音信不通で亡くなったことを知らなかった、あるいは、亡くなったことを知ったが離れて暮らしていたので、具体的な財産もわからず借金があることなど知りようがなかったといった特別な場合は、3ヶ月の期間が延長されることもあります。まずは、専門家である司法書士にご相談いただくのがよいかと思われます。あおき司法書士事務所(宇土市)は、相続放棄申述書を含む裁判所へ提出する書類の作成のご依頼をお受けしております。まずは、お気軽にご相談ください。
限定承認について
限定承認も、家庭裁判所への申述(書類の提出)によって行うものです。債権者に対して「現預金と不動産の売却分だけ返します!」と伝えるだけでは、限定承認とはなりません。さて、この限定承認、プラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産を支払うというもので、相続財産の状態がはたしてプラスなのかマイナスなのかわからない場合に使えるものです。制度の目的(相続人にとって)はよいものですが、如何せん手続が大変煩雑です。
まず、限定承認は、相続人全員がしなければなりません。限定承認をしない相続人がいる場合は、相続放棄をしてもらえればよいのですが、何もしてくれない、手続に協力してくれない、といった場合は、そもそも限定承認を選択肢とすることができません。
また、相続放棄に必要な添付書類は、戸籍謄本(全部事項証明書)と被相続人の住民票除票または戸籍附票のみが原則となりますが、限定承認には、これらに加えて「財産目録」が必要となります。財産目録は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて調査し、作成する必要があります。また、限定承認をした者は、公告手続など債権者保護手続をしなければなりません。このような煩雑さから、相続人ご自身で手続をされることは非常に難しく、弁護士や司法書士に依頼する必要が生じ、その報酬も数十万円となることがあります。このようなことから、限定承認の件数は、全国でも年間700件前後となっています。相続放棄の件数が2023年において28万件超だったことからすれば、利用件数の少なさと手続の煩雑さをよりイメージいただけるかと思います。
単純承認の場合の具体的な手続①(遺言書の有無などの確認)
さて、3ヶ月という期限のうちに何らの手続をしない場合は、単純承認となりますが、その場合もまた引き続き検討すべき事項があります。
遺言書の捜索
まず、被相続人が遺言書を残していないかを確認します。
遺言書は、亡くなった被相続人の最後のメッセージです。基本的には相続財産に関する事項を記載するものですが、祭祀承継財産(お墓など)やペット、今後の家族のあり方についてなど、”願い”が記されていることもあります。ちなみに、法的には遺言書に絶対的な強制力はないため、相続人はその内容に従う法的義務はありません。しかし、被相続人の意思を尊重することが、他の相続人を含めた相続手続を円滑に進めることにつながることもあります。
それでは、仮に、遺言書があった場合はどうすればよいのでしょうか。この場合は、その遺言書の「種類」によって必要な手続が生じることがあります。遺言書が「自筆証書遺言」で、かつ、法務局の遺言書保管制度が利用されていない場合は、家庭裁判所の「検認」手続が必要となります。この検認手続を経ないと、その遺言書に基づく相続手続ができません。ただ、検認は、遺言書の以後の偽造・変造の防止と、相続手続での利用を可能とすることに目的があるため、その遺言書が有効であることを証明する手続ではありません。もし、遺言書の有効・無効を争う必要がある場合は、相続人間でそのための話合いや、調停、訴訟による必要があります。あおき司法書士事務所(宇土市)は、遺言書の検認申立書を含む裁判所へ提出する書類の作成のご依頼をお受けしております。まずは、お気軽にご相談ください。
なお、自筆証書遺言で法務局の遺言書保管制度が利用されている場合、公正証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続は必要ありません。
相続人間の協議、法定とするか否か
相続人が複数いる場合は、必ずしも相続に対する考えが一致するとは限りません。この場合、遺言書があれば話がまとまりやすいこともありますが、一方的な内容の場合など、必ずしも遺言書どおりとした場合は、相続手続が円滑に進まないないこともあります。また、遺言書がない場合は、民法の規定する法定持分どおりとするか否かを決める必要があります。相続おいて想定される必要な手続については、後述しますが、一部の手続においては相続人が単独で行うことができるものもあります。しかし、単独手続ができるがゆえのデメリットもあり、やはりまずは協議をすることが重要です。相続人だけの集まりでは解決できないような場合は、家庭裁判所による遺産分割調停・審判といった手続の利用も考えられます。あおき司法書士事務所(宇土市)は、遺産分割調停の申立書を含む裁判所へ提出する書類の作成のご依頼をお受けしております。まずは、お気軽にご相談ください。
相続財産の確認・捜索
相続財産には、プラスのものもマイナスのものも含まれることは前述しましたので、ここでいう相続財産はプラスのものを想定したご案内となります。財産は、現預金、不動産、株式などの有価証券、各種会員権利、自動車、船舶、動産など多岐にわたります。現預金については、被相続人のこれまでの生活拠点において、通帳等を捜索することとなりますが、不動産については役所からの固定資産税に関する通知、有価証券については証券会社等からの通知、その他の財産についてもまずは被相続人の生活拠点の捜索を行うことから始まります。その中で、取引があること自体がわかった後は、各関係機関における個別の手続へ進むこととなります。
単純承認の場合の具体的な手続②(登記などの手続)
相続財産のおよそが把握できた後は、それぞれの関係機関で手続を行っていきます。
預金・有価証券などの手続
まず現預金については、銀行で相続手続を行います。手続については、それぞれの銀行のホームページに詳しく記載されていますので、該当する銀行のホームページをご覧いただくとよいです。一般的には、遺言書または遺産分割協議書等、戸籍等、印鑑証明書などが必要な書類として案内してあります。ただ、遺言書なのか遺産分割協議書なのか、あるいは家庭裁判所による調停・審判があるのかによって、必要な書類が異なりますので、繰り返しになりますが、銀行の相続手続案内をよくご確認ください。また、株式等の有価証券についても相続手続として「名義変更」が必要となります。具体的には「株式等名義書換請求」を行うこととなり、必要な書類についても銀行における相続手続と共通するものが多くあります。こちらも、各証券会社等のホームページで詳細をご確認ください。各種会員権利、自動車については、当該会員管理を行う機関、陸運局での名義変更手続となります。船舶についは、その船舶が登記・登録の対象である場合のそれらに関する手続などが必要となります。あおき司法書士・行政書士事務所(宇土市)では、銀行、証券会社、自動車等の名義を変更をご依頼いただくことができます。まずはお気軽にご相談ください。なお、動産については、基本的に占有の問題となりますが、貴金属など高価なものもありますので、その価値を十分把握したうえでで、取り扱うこととなります。
不動産など登記手続
不動産の相続登記は、その不動産が所在する地域を管轄する登記所(法務局)に対して行います。この点、令和6年4月から「相続登記の義務化」が実施されており、相続人は相続が発生し、その所有権の取得を知った日(あるいは遺産分割が成立した日)から3年以内に、相続登記をしなければなりません。正当な理由なくこの義務に違反した場合は10万円以下の過料が課される可能性があります。なお、令和6年4月1日より前に相続が開始している場合も、同日から3年間の猶予期間が始まっており、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。相続登記は、申請書のほか、被相続人の出生から死亡までの戸籍等、相続人の戸籍、印鑑証明書のほか、遺言書等の有無によって様々な添付書類が必要となります。申請書や添付書類の一例などが法務局のホームページに記載されていますので、ご自身で手続にチャレンジされる方もいらっしゃいますが、無事手続きが完了される方の割合は少ないようです。法務局では登記相談を行っていますが、私が窓口へ行った際、たまに相談が終わられたばかりの方がいらっしゃることがあります。その後ろで法務局の方とやり取りするため待つこともありますが、その日の相談者を終えたの方のほとんどは次回の相談予約をされている印象です。そして、次回の予約は1ヶ月以上後になっているようです。相続登記をはじめとした不動産登記をご自身でされると司法書士への報酬が不要となります。したがって、支出額からするとお得のようにも思えますが、何度も法務局に行き、やり直しをする時間、労力、ストレスを考えると、やはり司法書士にご依頼いただいた方がよいのではと思います。あおき司法書士事務所(宇土市)は、相続登記をはじめとする不動産登記の専門家として、迅速・確実に登記手続を行います。相続登記については、あおき司法書士事務所(宇土市)にお気軽にご相談ください。なお、被相続人が会社を経営する方で、取締役等の役員をされていた場合は、役員変更登記も必要となります。あおき司法書士事務所(宇土市)は、役員変更登記など商業登記もご依頼いただけますので、こちらもお気軽にご相談ください。
相続手続における注意点
相続手続全般についてご紹介しましたが、相続手続は被相続人の大事な財産を承継する重要な法律行為に関する手続です。注意する点はいくつもあるため、すべてをご紹介することはできませんので、その一部をご紹介いたします。
他の相続人の権利を尊重すること
民法の規定には「遺留分」というものがあります。配偶者、子、直系尊属(父母など)の法定相続人は、被相続人の収入・財産を頼りに生活していること場合も多くあることから、法律上最低限の保障を考えられたものです。前述したそれぞれの法定相続分の2分の1は、法律上保障されることとなっています。したがって、仮に遺言書があり、それに従うと一部の相続人等がすべての相続財産を承継するとしても、他の相続人は遺留分が侵害されたものとして、金銭の請求ができることとなります。ただ、この遺留分侵害請求は、相続開始の時、または遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から、1年以内に行う必要があります。なお、兄弟姉妹には遺留分はありません。
生前贈与などの特別受益のチェック
あおき司法書士事務所(宇土市)では、生前贈与についてご相談いただくこともあります。主に、特定の不動産を相続人のうち1人に確実に残してあげたいといったケースが多くあります。ただ、この生前贈与は、後の相続の際、相続財産の先渡とみなされ、遺産分割協議等において、相続財産に含まれるものと考えられる場合があります。したがって、先のケースでは、不動産がもらえたが、相続の際、他の財産(現預金等)はもらえないといったことにもなります。各相続人がいずれの立場になるかで特別受益に対する見方は変わりますが、相続に対する権利が本来は平等であるべきものと考えると、生前贈与を受ける側もそうでない側も、その事実を把握することで、後のトラブルを防止できる可能性があります。
各財産の評価を適正に行うこと
現預金や上場株式ではあまり問題となりませんが、不動産や非上場株式などは、はたしてそれらにどれくらいの価値があるかわからないこともあります。このような場合は、不動産については、固定資産評価額、路線価、近傍類似の市場価格などから推定する方法もありますが、私たち司法書士にとっては難しいものがあります。したがって、不動産の価格については、税理士や不動産鑑定士といった専門家への相談が最も有効と考えられます。税理士は相続税の計算において不動産や非上場株式の評価計算を行う専門家であり、不動産鑑定士は行政が課税する固定資産税の根拠となる評価額や市場取引における不動産の価値を計算・鑑定する専門家です。もちろん、専門家への依頼のため報酬が必要となりますが、後々訴訟となる可能性もあるような不動産については、当事者同士の価値判断を議論して一応の結論を出しても、その不満は将来も続くことが予想されます。一方、第三者しかも専門家が出した結論に対しては、満足するものでなくとも納得できる場合もあるようです。ある不動産鑑定士さんのお話では、不動産の評価や意見書の作成を不動産鑑定士にご依頼いただくことで、紛争を回避でき、訴訟をするよりも時間も費用も圧倒的に抑えることができることがあるとのことでした。あおき司法書士・行政書士事務所は、税理士・不動産鑑定士の方とも業務上のつながりがありますので、当事務所を窓口としてお気軽にご相談いただくのも一つの解決策となりえます。
不動産の相続登記の単独申請にはデメリットも
不動産登記は、売買・贈与を原因とするものなど原則的には、当事者(売主・買主など)の双方が共同して申請するものとなっています。ただ、その例外として、相続登記は、法定相続分どおりの内容であれば、相続人の一部の者からのみでも申請ができることとなっています。例えば、兄弟姉妹の4人が相続人の場合において、兄が弟姉妹の分まで法定相続分(4分の1)ずつ全部を申請するのであれば、兄1人で申請することもできます。ただし、この場合、申請人とならなかった弟姉妹には「登記識別情報」いわゆる権利証が通知されず、後に売買等をする場合に余計に手続・費用がかかることとなります。もちろん、それぞれの意思が実は相続する気がなかったということも想定されます。やはり、相続については相続人全員がしっかりと協議し、情報・事実を把握することが重要です。そして、相続登記は、権利者となる方全員で申請することをお勧めいたします(司法書士としては、そもそも共有状態はできる限り避けることをお勧めしたいところですが・・・)。
相続に関するご相談は、あおき司法書士・行政書士事務所(宇土市)へ
相続については多くの論点があるため、長いご案内となりました。
しかし、ご紹介できていない留意点も多くあり、専門的な知識を求められるのが相続手続・相続登記です。
あおき司法書士・行政書士事務所(宇土市)は、地域のみなさまの相続に関するご依頼・ご相談を初回無料でお受けしております。
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